第282章

野呂栞は数回の動きで、男たちを一人ずつ池へ放り込んだ。水鳥みたいに、ばしゃばしゃともがきながら浮き沈みしている。

太郎を囲んでいた残りの四人は、その光景を見て踵を返し、逃げようとした。

野呂栞は冷えた笑みを唇に浮かべる。

「逃げる気? 全員、池の水でも飲んで頭冷やしな」

彼女は左右の手でそれぞれ一人ずつ掴むと、ぐっと後ろへ引き倒した。次の瞬間、男たちは次々に宙を舞い、そのまま池へ――どぼん。

池は浅すぎず深すぎず、だいたい1.5メートルほど。立てば首元まで水に浸かる程度で、岸へ上がろうとすれば息が上がる。

前の集落の騒ぎが、裏山側にも伝わった。

丹羽南は海人と太郎がいないことに...

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